アドリアン・コックス
(ピアニスト)
Adrian Cox

ロンドン生まれ。ロイヤル・ノ-ザン音楽大学、ウィ-ン国立音楽大学を首席で卒業後、オーストリアを中心に、ヨ-ロッパ全土、アメリカ、北欧、アジア等で主に室内楽ピアニストとして、ウィーンフィルコンサートマスター、首席奏者、アンサンブル・ウィーン・ベルリン、ウィーン国立歌劇場歌手等とコンサート、レコーディング、テレビ・ラジオの収録等を行い、揺るぎない地位を確立、絶大なる信頼を得ている。ザルツブルグ音楽祭他多数の音楽祭にも毎年招待される。スイスのレンクで開催の国際夏期セミナー、ウィーン春期音楽セミナーでは20年以上室内楽の講師を務め、教育者としても高く評価される。1985年初来日以来ウィーンフィル奏者とのツアー他、日本人アーティストとの共演等で広く知られる。2002年より毎年7月にはウィーンフィルメンバーと共にPMF音楽祭(札幌)に招聘されている。現在ウィーン国立音楽大学教授。
 コックス氏が共演した演奏家は、ウィーンフィルのP.シュミーデル、E.オッテンザーマー、A.プリンツ、N.トイブル(以上Cl.)、W.シュルツ、W.トリップ、P.グラーフ、D.フルーリー(以上Fl.)、M.ガブリエル(オーボエ)、A.スコチッチ、M.シュトッカー、F.ドレシャル、M.マイスキー(以上Vc.)、G.ヘッツェル、B.ビベラウアー(Vn.)、ウィーンフィル首席奏者によるウィーン木管アンサンブルや、ウィーン国立歌劇場歌手のR.シュトライヒ、B.ポシュナー(ソプラノ)、そしてアンサンブル・ウィーン・ベルリン他多数。

●コンサ-ト批評より
共演者に優しい眼差しで合図を送り、聴衆の拍手にシャイな微笑みで応えるアドリアン・コックス。しっとりと落ち着いた伝統的な手法で、音が柔らかく、好ましい渋さがあり、とりわけ余韻を大切にしていて、演奏が終わった後の静寂さは潔い感動を呼び起こすに充分であり、この平安を得るために演奏はなされたのだと思う程であった。-(中略)- オーソドックスな奏法で全体の調和をはかり、渾然一体となって情熱を燃焼させていった真摯な姿勢が、室内楽奏者としての在り方の規範として尊敬の念を深くさせるのであった。芸術家として良心的な演奏により、聴く者の心を洗い、清らかな満足感に浸らせてくれるこの人は貴重な存在である。 (音楽現代1990年11月号より)

- (前略) - 各曲各々音質と表現を変えて弾き分けるコックスの才能は尋ならぬものがある。注目すべき人だ。 (音楽の友1992年9月号より)